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-W摂り方 個々にあった5W1Hの方法で-
私たちは食べ物を摂取する事によってエネルギー補給する事が出来ます。それは大脳の視床下部で空腹感と満腹感の食欲バランスの指令が潤滑に行われているからです。そして大脳皮質の前頭葉には、その本能的な食欲と合わせて人間に最も必要とされる五感的な要素である全ての活力、元気の「気」の元になる情報伝達から発信される精神的な食欲があります。ぶどう糖のインスリン等の化学的な要素でも食欲の幅が変化しますが、精神的に安定した食欲による食事を摂る事により摂食と満腹感の指令が、繰り返されるのです。
毎日きちんと食べましょう!としっかり栄養を摂って決められた時間に食べると言う今の栄養推進にある考え方は「ミルキー薬膳学」からは少し外れています。生活スタイルや個々の体質、その時の環境や体調によって食べ方を変化させていきながら健康維持し、延命対策していく事が本来の食べ物から体を滋養する栄養の摂り方であると思います。
食品の栄養数値を表すカロリー計算は、産地、収穫時期、栽培農法等により食品成分のカロリーが違います(当然の事ながら食品加工工程、精製過程で数値は違う)。そして人の体の代謝吸収率で栄養評価は違ってきます。カロリー表は言うなれば入院患者の病気を治す為の治療食として摂取制限の環境状態になった時のみに評価されるべきです。外食産業レストラン等メニューのカロリー表は一つの目安とされるように。
栄養評価に値しない補食として扱われる物にサプリメントがあります。貧困の国から生まれたサプリメントをバランスの良い和食に入れる必要があるのか、医療収入の落ち込む製薬会社が海外の製品と提携しても、日本にある大豆こそサプリメントに匹敵する食材として太刀打ちできない筈でしたが、それでも猿の物真似的にサプリメントを流行らせてしまった日本の今は、ビタミン剤の過剰摂取や医者の薬と併用して腎臓や肝機能等に障害を起こしている患者が蔓延しているのです。
メディアのグルメ嗜好も問題です。単に太っているのであれば粗食にすれば良いわけですが、後ほど詳しく学びますがその粗食自体も質素の意味とは違います。何をどう食べれば良いですか?の良くある質問には、栄養過剰摂取しないように、嗜好を崩せない方にはバランスの良い基本の和食のアレンジメニューを薦めます。糖尿病や高血圧等の生活習慣病をなくす為にも、人は一人一人生まれ持った遺伝的な性質や体質に合った食事がある事(遺伝子には嗜好物や環境体質的な遺伝子がコピーされている)、そして美味しいと感じられる時が人間に与えられた至福のひとときです。
誰とwho・いつwhen・どこでwhere・なにをwhat・なぜwhy・どのようにhow/食べたら良いか食事をする時の5W1Hを以下に記しました。(体を整える食事は本章で学びます)
◇Who/だれと食べるか{主体は食べる本人自身}
◇Why/なぜ食べるか{健康維持・生命存続延命の為}
◇When/いつ食べるか{ライフスタイルや体調に合わせた自分の腹時計で}
基本はお腹が空いた時に食べる事。それは無謀な食べ方を意味しているのではありません。朝・昼・夜の食事の時間がずれ込んでお腹が空いていない時に、時間で前後して無理に食べる事は胃腸の負担になるばかりで為にも何もなりません。胃腸の蠕動運動でお腹が空き又脳のリラグゼーションの為に食べた!美味しかった!と言う満足感を得てこそ、その食べるタイミングなのです。夜遅くまでのデスクワークの方は朝は食べられないでしょう。その多くは無理をして食べる期間が長い程ストレス性胃炎を誘発します。ライフスタイルにより個々の摂り方は違って良いのですが、一例として水分は朝はたっぷり必要ですから流動食的なお粥(ご飯粥又はパン粥・オートミール等)や果物を少量摂り、体が循環してきた頃の朝と昼前の中間時間に粉食になる素材・・つまり米食・パン・麺・芋類に相当する物をメニューに入れ、咀嚼し脳活性になる物をここで食べる事でエネルギー吸収量が違います。時間に見合わせて食べられるであれば理想でしょう。しかし今これだけ多様化している社会で、食の提供する場所や食品はあらゆる所に散在しています。物質的な要素と別に、産業発展と共に多くのテクノストレスや長期不況症候群に見舞われている精神的な鬱症の世の中で、食材不足の外食産業の継続も厳しい中、今本当に心で喜ぶ食事の在り方が必要となっています。
◇Where/どこで食べるか{心の栄養を持ち合わせる場所で}
自宅で食事が出来ればゆっくりとリラックス出来て体の栄養と心の栄養を持ち合わせる事ができますが、仕事をしている方はなかなかそうは行きません。どこで食べるかと言うのは何を食べるかによって行く店が決まる訳ですから、ワークエリアで自分に合った食の提供をして貰える所を探す事です。またその仕入先流通経路等、盛っている店は大概バックに畜産加工や仕入れルートがしっかりしていてメニューに冷凍物使用があっても自社商品と言う事が多いので安心です。また出先ではその場所の地場食材や旬の物を知っておくのが一番です。特別な物ではなくてもその土地土地の作物で伝統食になるような料理であれば、行った先の気候や風土に合っている美味しさを味わう事になります。飲食に長けた人でなくても、大事な事はただの一見さんにならず、店主と雑話をしてみるのも見聞を広めたり美味しく頂ける方法です。ビジネスマンがコーヒーと軽食のサンドウィッチで雑誌を読みながらの風景も良くあります。食事に掛ける時間、ゆとりを心の栄養と考え、器質的な要因がない限り精神的な食欲と心理的な食欲をコントロールして欲しいものです。
◇What/なにを食べるか{健康不安にならないよう体調を自己管理できる食べ物を}
何を・・に当たる物はメニュー、献立作りになります。主菜、副菜、汁物、ご飯物、果物に何を選ぶかですが、ここからが食の別れ道になります。先ず考えなければならない事は、お腹の空腹状態、仕事量、運動量等、肉体の労働量と疲労度、気分の状態等の精神的補給量、胃腸の調子、体の調子を自身に伺います。それと与えられた食事時間内に合ったメニューで食べる物を決めます。食べる事は次の食べる時間迄のエネルギーを維持する為の食事、欠かすのは良くありません。Who/誰と食べるかによりメニューを決める事もありますが、体調を管理するその責任は常に自分自身です。またその逆に食を支える側の子を持つ親であったり調理の現場の長であったりする場合は、ここまでの5Wに関してのメニュー作りが重要です。
◇How/どのように食べるか{食に対する意識を高める}
ビジネス街でかき込むように早食いするサラリーマン達、またコンビニの出来合いのお弁当袋を吊るし歩く見慣れた風景。昔からののれん食堂が少ない事もですが、早食いは内臓に負担が掛かり消化が悪い上、肥満症になりやすく生活習慣病の予備軍です。食べ終わりの時間はギリギリ迄遣うと心得て、ゆっくりと食べないと胃にストレスが溜まります。口から入った食べ物は、先ず初めに口の中で歯で噛み砕く咀嚼と言う行為があります。産まれたばかりの赤ちゃんの口には初めは歯が生えていません。どうして歯がはえて生まれて来ないのだろうと不思議に思うのはおかしいかも知れませんが、羊水の中で生きていてそれが急に肺呼吸になるものですから、体の酸素を送り込んで、酸素と水と固形物の食事が養分となって内臓に到達するには準備期間が必要な筈です。歯が生える迄ミルクから流動食へと移行するのは当然の流れと分かります。
自分らしく生きる為には衣食住において嗜好があってこその人生です。人と共有する時間でワイワイ食べるも良し、また誰にも邪魔されず一人でゆったりと落ち着いたレストランを予約して食事をするのも心の栄養になります。植物や動物も生き延びる生命力には瑞々しさがあります。生きる全ての活力が食の基本であるように、どのように食べる時間を過ごすかと考え、常に食に対する意識を高めたいものです。
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